先日来られたお客さまも、「ふとんって、いろいろなんですね」と。
当然、安い羽毛ふとんってイマイチ保温力に欠けます。その理由は…事前に書いておきますが、「羽根布団」は除外です。
羽根布団はダウンの比率が50%以下の掛け布団で…
使ってみると分かりますが、寒い・臭う・重いの3重苦、ヒドイ代物です(笑)
アレなら、羊毛混の掛け布団の方がまだマシです。
※実際に使ってみたことがあるんですよ。あの晩は辛かった(笑)
ここで言う羽毛布団はダウンが50%以上のかけふとん、といっても
ダウン80%の羽毛布団はほとんどないので、それ以上の枠内での「高い」「安い」です。
このページの目次
羽毛が膨らまない
羽毛布団はその厚みで外気を遮断します。
素材と厚さで掛けふとんの暖かさを比べてみた。(←掛け布団の厚みと暖かさの話。羽毛以外の素材も)
薄いと、暖かい空気が逃げていきやすいので寒いです。
羽毛布団の話(その2)(←羽毛布団が暖かい仕組み)
羽毛が高品質で極端に安い羽毛布団は触って確かめた方がいいです。
産地偽装・品質偽装をしているものが、まれにあるようです。羽毛布団|産地偽装の話(←世間を騒がせた産地偽装の話)
寝具メーカーさんも首をかしげるような(輸入時の羽毛の原価を知っている方です)
高スペック・低価格の羽毛布団。どうなんでしょうか?
あと、通販・ネット販売系の「独自の厳しい品質基準」による、羽毛の「良く分からないランク分け」は、
他社との比較材料にはなりません。だって、”独自”なんですから(笑)
生地が硬い
羽毛布団の生地って、ダウンプルーフ加工をしてあるものがほとんどです。
ダウンプルーフ加工は生地に熱と樹脂を加えて目つぶしした加工で、
コレをしないと、生地のスキマから羽毛が吹き出やすくなります。
※ダウンプルーフ加工をしても多少は出ます。
この加工をすると、加工前と比べて”生地が硬く”なります。
生地が硬くなると、体とふとんとの間に隙間が空きやすくなり、暖かい空気が逃げます。
なので、細番手の糸で作った柔らかい生地を使い、ちょっとでも柔らかく、したいところですが
そういう生地はコストが高いので、安い羽毛布団には使われません。
”60サテン生地”とか”80サテン生地”とか”200双糸”みたいないい生地は使えないんですね。
また、同じ”60サテン生地”でも「あれ?これ硬いですね」というものがあるので…触るまでは分からないです。
寒い日は、眠る姿勢が”横向き寝”になりやすいので、
まくらが合わない方が冬場特に痛む理由。(←横向き寝になる理由の記述あり)
とくに隙間が空きやすく、寒く感じます。
キルトが残念
羽毛布団の内部って「キルト」という部屋で分けられています。
この「キルト」パターンには種類があります。
↑これは2層キルト。一般的には暖かいキルトと言われています。
この、「キルト」でも暖かさに差が出ます。
上の図のような2層キルトは”生地が一枚余分に必要”(真ん中の生地)なので
安い羽毛布団には使われません。
また通常の立体キルトであっても、(すみません画像が無いです)
”タテの仕切り”が低くなっていることがあります。
”タテの仕切り”が低くなると、羽毛布団に薄い部分ができるため
暖かい空気が逃げやすくなり、寒いです。
なんで”仕切り”を低くするかというと…
安い羽毛布団は、羽毛のボリュームが出にくいため
仕切りを高くして、キルト内の容積を大きくすると
キルト内いっぱいに羽毛が膨らまず、スカスカ感が出ちゃうからなんです。
最後に
羽毛布団って一度買うと何年も使います。一般的な寿命は10年。
いいものだと、20年使ってるという方も。
ヘタすると、自動車より長持ちするものですから
慎重に、実物を見て選んでください。