ずいぶん暖かく、というか蒸し暑くなってきました。
もうさすがに羽毛の冬布団は暑すぎですね。最低気温も20℃近くまで上がっています。
気温の上昇で羽毛の冬布団をしまう方が増えてきたようで、
羽毛布団のリフォームのお客様が来店されています。
当店では「アイダー」も含め、羽毛布団のリフォームが出来ます。
もう20年近くいろんな羽毛布団のリフォームをしていて、
時々「ん?」というケースもあるのですが対応できた、というお話です。
このページの目次
羽毛布団リフォーム「孫が買ってくれた羽毛布団」
お客様から羽毛布団リフォームの相談を受けました。
孫が買ってくれた羽毛布団の”仕切り”が切れて中の羽毛が一緒になってしまったんだけど、
おたくで仕立て直しというか直す事が出来るって見たんだけど…できる?
キルトが切れちゃったんですね。リフォーム出来ますよ。羽毛布団のリフォームなんですが側生地を外して中の羽毛を洗って、
足し羽毛をして新しい生地で綴じます。新しい生地の質と足し羽毛の質でいろいろなコースがあります。
元の羽毛布団に近づけるなら、この生地とこの羽毛をつかったこのコースとかどうですか?
ほうじゃね、予算があるしもうちょっと安いコースだったらどんなんがあるん?
生地を一つ安いのにして、このコースにしますか?
うん、それにするわー
という感じで、いつものようにリフォームする羽毛布団と羽毛布団リフォームのカタログ(値段表)を見ながら
”どうするか”をお客様と決めていきました。
↓当店の羽毛布団リフォームの説明があります。
もちろん「リフォームするより買い替えた方がいいんじゃない?」というお客様もおられるので
”どうするか”には買い替えも含まれます。
今回は、お孫さんから贈られた思い入れのある羽毛布団ですから、
買い替えよりリフォームですよね、とお話ししていました。
アイダー羽毛布団のリフォーム?
別のお客様が羽毛布団のリフォームの相談にご来店されました。
この羽毛布団をやり直したいんだけど。できるかしら? じつは以前このお店に来たことがあってちゃんと説明してくれたから相談したいなと思って。
ありがとうございます。ちょっと見せて下さいね。えーっと (品質表示を見て)こ、これはもしかして…買った時すごく高かったですか?
おばあちゃんのなのでよくわからないけど、アレやコレやあって…高かったみたいです
これね、品質表示に”○○アイダー”(特定を避けるため伏字)って書いてありますよね。
これ、本当にアイダーが入っていたら通常のリフォームで出来ないんです。ここに(羽毛リフォームのカタログを見て)書いてあるでしょ。
アイダーのリフォームになったら足し羽毛100gで○○万円+消費税になってしまうんです。でもこれアイダーじゃない可能性もありますよね。
そうよね。アレやコレやあったとこだから違うんじゃない?しかも○○万するならちょっとやめとくわ。
本当にアイダーなんかな?アイダーの原毛ってこんな感じ
ですよね。本当にアイダーなら中の羽毛がこんな感じなんですよ
茶色というかベージュの羽毛で、顕微鏡で見ると羽肢が長くてモジャモジャしています。
また羽肢の先がかぎ状になっているので絡み合って、普通の羽毛みたいにばらばらにならないんですよ。
このアイダーが入った冬布団は大体充填量がシングルで1.0㎏です。でもこの羽毛布団1.4㎏入っていますよね。
状況的に考えても違うんじゃないかなー
アイダーダウンならこんな風につまみ上げられるんですよ
へー。ほんとだ。
アイダーは新品で買うと200万円とか…ヒャー
シングルで1.0㎏しか入れないのは原毛の価格がビックリするくらい高いからなんです。
アイダーの羽毛布団はカタログ価格で200万円とか普通なんです。
ここにあるアイダー羽毛のリフォーム価格が○○万円ですが
買った時の価格を知っている方は”まあそんなもんかな”なんて思えてしまうかもしれませんね。
アイダーの羽毛リフォームが高いのは他にも理由があって、
先ほど言った”絡み合う性質”が問題なんです。羽毛が絡み合うと保温力の面では優秀なんですが羽毛の洗浄が難しいんです。
絡み合ってダンゴになるので特殊な加工が必要になるんですよ。
これ、羽毛布団の生地を裂いて中身を見てみませんか?ただ、開けてしまうともう後戻りはできないので…どうしますか?
もうリフォームしなかったら捨てるつもりだからいいよ、開けてみて。
(羽毛の生地をハサミで切って中の羽毛を確認)
白い羽毛がほとんどですね。羽毛もバラバラになります。
ところどころ茶色い羽毛がありますがこれがアイダーなのかな?これはよくわからないですね。
でも絡まないので普通の羽毛布団のコースでリフォームできると思いますよ。
良かったー。じゃあお願いします。
充填されている羽毛は白い羽毛のところどころに茶色いアイダーっぽいものが混じっていて
「まるで羽毛のカフェオレやー」とワタシの中の彦摩呂が叫んでいたのですが
良識ある社会人として口にはしませんでした。言った方が面白かったかな…