眠る時って、みなさん”何か”をかぶって眠るでしょ。
夏場で暑くても、掛けモノがないとなんだか落ち着かないですよね。
そんな掛けふとんについて、
広島の寝具専門店的な寒天←間違えた(笑)観点から語っていきます。
掛けふとんの役割
掛けふとんの役割は…
- 第一に”保温”と”温度調整”。なにが無くても”温度調整”(笑)
- 湿度の調整
- 精神的な安心感(私見です)
の3つだと考えます。
温度調整・保温は
敷きふとんにも多少求められる役割ですが、
暖かい空気は上に逃げますから
保温機能は掛けふとん側に大きなウェイトが掛かります。
保温を考えると掛けふとんには”フィット性”も必要です。
湿度調整は
別に掛けふとんがやらなくてもいいんですが(笑)
寝具のなかで一番面積が大きいのが掛けふとんです。
コレに湿気を吸ってもらえば…一番効果的でしょ?
ちなみに”ねどこ内が蒸れる”と不快で眠れません。
精神的な安心感は
…私見ですが(笑)
掛けて眠る事による安心感は、絶対あると思っています。
ストレスなどの”精神的なダメージで眠れなくなる事がある”と言う事は、
”安心感”が、グッスリ眠る上で重要な役割を果している事は間違いないと考えています。
掛けふとんの種類
掛け布団には大きく分けて
- 「綿わた掛け布団」
- 「羊毛掛け布団」
- 「真綿掛け布団」
- 「ポリエステル掛け布団」
- 「羽毛掛け布団」
という4種類があります。
それぞれの掛け布団に長所、短所があるので、
それぞれの特徴をよく知った上でふとんを選ぶことが大事です。
チョットそれぞれを簡単に紹介。
「綿わた掛け布団」
”木綿”や少量の”ポリエステル綿”を混ぜた”綿わた”の詰めものでできている昔からの掛け布団です。
吸水性はいいのですが、放湿性に劣るため、頻繁に干さないとじめじめします。
重量は重いのですが、この重さがぬくもりにつながる、
という方もおられるのであながち欠点ともいいがたいですね。
へたっても、何回かは打ち直しができるので環境にやさしいです。
綿わた掛け布団を選ぶ時には、まず持ち上げてみましょう。
- 持ち上げてみて不自然に軽い
- 生地の上から中わたを触るとツルツルする
という場合は、ポリエステルわたが多く入っていることがあるので
(ポリエステルを混ぜると軽くなりますが、吸湿性に劣ります)注意が必要です。
信用ある専門店にお願いすると安心ですよ。
「羊毛掛け布団」
羊毛の特性として、
吸湿性、放湿性に優れているので頻繁に干さなくても、ふとんに湿気がこもりません。
羊毛100%の詰め物でできた掛け布団は重たくなるので、
ポリエステルを混ぜて軽く、安価に、作っているものも多いです。
羊毛掛け布団を選ぶ時には、品質表示でポリエステルの混合率をよく確かめた上で、
重さやふとんのボリュームを比較して選ぶといいと思います。
「真綿掛け布団」
手引きの「真綿掛け布団」の作り方は蚕の繭をひとつづつ剥き、薄く延ばして”角真綿”というものを作ります。
それを二人で薄く広くふとんの寸法に合わせてひろげ、何枚も重ねて一枚の布団ができます。
絹100%の真綿布団は、吸湿、放湿性に優れ保温性も高いです。
また、素材の性質上しなやかなので、身体によくフィットし、ふとんと体の間に隙間を作りません。
同じ手引き真綿でも日本製と中国製では品質に差があることが多いです。
これは日本製のふとんに手間がかかっているためです
(中国製より薄い真綿を何回も重ねているので、軽くてふんわり仕上がります)。
しかし、値段もかなり変わってきますので、
真綿掛け布団を選ぶ時にはご予算と相談しながら選ぶといいのではないでしょうか。
「ポリエステル掛け布団」
化学繊維で作られたわたが詰めてある布団です。
加工が容易なので安価なふとんを生産する事が可能です。
しかし、合繊わたは吸湿性がないので天然素材と比べて蒸れ易いという欠点もあります。
その中ではちょっと高価ですが、
インビスタ(旧デュポン)社製のダクロンわたは多穴構造となっているため、
- 保温性が高い
- ほこりが出にくい
- 洗濯した後の脱水・乾燥が早い
ため、アレルギーをお持ちの方がよく使われます。
ポリエステル掛け布団を選ぶ時、
寝心地を優先されるなら「インビスタ」のタグが付いている商品を選ばれた方がいいです
ただ洗えるだけでいいんでしたら、
それ以外の「ウォシュロン」(中空ポリエステル繊維)など、
より値段がお手軽な布団を選ばれた方がサイフにやさしいです。
「羽毛掛け布団」
言わずと知れた、掛け布団の代表選手。
今現在(2016年9月)掛け布団の充填物で羽毛を超えるものは、おそらく存在しません。
軽くて、保温性に優れ、フィット性も高い上に吸湿・放湿性に優れている、
とくればこれを超える素材を開発することは人工、天然ともに難しいでしょう。
数年前に人工羽毛なるものが世に出たそうですが…やはり重いようです。
近年では、中国産ダックダウンの値上がりを原因とする世界的な原毛の高騰のため、
以前より値上がりしつつあります。
※2016年9月現在ダックダウンはやや落ち着き気味。グースは高止まり状態です
掛け布団の中で一番のバリエーションがあるこの「羽毛掛け布団」の選び方をちょっと紹介していきます。
羽毛掛け布団の選び方
1.まずは触ってください
羽毛布団を選ぶ時は生地が柔らかく、ふとん自体に嵩があるものを選びましょう。
実際にバッグから出してみて、
- 生地を触ったり
- 両手でふとんを挟んでチクチクしないか
- 中身がしっかり詰まっている感じがするか
等を確認しましょう。
生地が硬いとふとんが「ガサガサ」と音を立てる原因となりますし、
中身がチクチクするということはフェザーがたくさん入っている可能性があります。
(フェザーがたくさん入っていると嵩が出ず、重くて寒いふとんになります)
また、良質の羽毛は同じ量充填しても嵩が出るので軽くて暖かいふとんができます。
2.続いて品質表示を見ましょう
羽毛の品質については、羽毛布団に付いている品質表示を見ても判断することができます。
羽毛布団の品質表示には「ダウンの比率」が必ず記載してあります。
このパーセンテージが高ければ高いほど良質の羽毛であるといえます。
最近では「ダウン比率」以外に、
- 「かさ高性」
- 「ダウンパワー表示(DP)」
を表示したフダが下がっていることも多いです。ともに数字が大きいほど良質な羽毛です。(↓3.にも書いてます)
また、品質表示以外にも羽毛布団にぶら下がっているタグに「~産」
(ハンガリーやポーランド、シベリアが有名)という表記や、
グースかダックという鳥の種類(一般的にはグースの方が高品質。
その為、ダックの場合は「ダック」と記載されていないこともある)が表示してあるので見てみてください。
3.羽毛の品質の差の判別
羽毛の産地やダウンの比率による品質の違いはメーカーによって差があります
(品質表示に記載されているダウン比率はメーカーの自己申告的な部分が大きいようです)。
そのため最近は「かさ高性試験」という公平な検査を行い、
メーカーの壁を越えた羽毛の品質の表示を行うことが多くなっています。
かさ高性の測定とは、
- 内径29cm、高さ50cmのシリンダー(円筒)に30gの羽毛を入れる
- 120gの重りを2分間乗せる
- おもりを取り除いて復元した羽毛の3か所の高さを1mm単位まで測定しその平均値を求める
というものです。細かい検査方法はさておいて、
公平な基準で羽毛の品質を比べられるというのはいいですね。
4.キルト(生地の仕立て方)の比較
羽毛布団はキルトと呼ばれるマス目で仕切られています。
これがないと、羽毛が端っこに偏ってしまうからです。
昔は、表と裏の生地をミシンで縫っただけというキルト構造の羽毛布団もありましたが、
今はほとんどの羽毛布団のキルトにマチが付いた立体構造になっています。
これは、保温性の向上という観点から、キルトの縫い目がペラペラに薄くなるのを防ぐためです。
また、この「立体キルト」よりさらに保温性を向上させた「2層キルト」というものもあります。
これは、表と裏の生地の間にもう一枚生地を入れ、表のキルトと裏のキルトを互い違いにさせたものです。
この「2層キルト」で仕立てた羽毛布団は広げてみると、
一見キルトの境目が見当たらない位、均一に羽毛がいきわたり保温性がUPします。
広島市内の地域的な気温傾向(大雑把ですが)
突然ですが、広島市内の気温傾向です(笑)
睡眠時の掛けモノ選びの目安にしてください。
広島市って結構広いので(100万人都市って言っても…広いしww)
気温差が結構あります。
基本的には、瀬戸内海沿岸の”年中あったかいトコロ”なんですが…
暖かい地域
あたたかい地域は、海沿いで標高が低い地域の…
- 中区
- 西区(三滝とか己斐上などの山手はのぞく)
- 南区(黄金山除く)
- 安芸区(堀越とか青崎)
ちょっと寒い地域
ちょっと寒い地域は、内陸部でちょっと標高が高い地域で…
- 西区(己斐とか己斐上、三滝)
- 東区(福田・温品はのぞく)
- 安芸区(船越とか畑賀)
- 府中町
- 佐伯区全域
かなり寒い地域
結構寒い地域は、より標高が高く内陸地…
- 安佐南区全域
- 安佐北区全域
- 東区(馬木とか福田)
- 安芸区(中野とか瀬野、阿戸)
- 熊野町
- 佐伯区(湯来町)
という感じです。
冬場、広島市の中区で雪がチラついていたら
ちょっと寒い地域は本降り、かなり寒い地域は積もります。
掛けふとんのサイズは…
代表的なモノを表にしときます。
これ以外のサイズは…イレギュラーです。ベット屋さんが作ったりしてますが、カバーがあんまりないです
大きさ(cm) | 名前 | コメント |
140×190 | 肌掛けふとんサイズ | 夏用肌掛けふとんのサイズです。 |
150×200 | シングルサイズ | 昔のシングルサイズ。綿わたの掛けふとんはこのサイズも多い。 |
150×210 | シングルロングサイズ | 一番流通しているシングルサイズ。 |
170×210 | セミダブルサイズ | ゆったり広めのシングルサイズ。これで2人はキツイ |
190×210 | ダブルサイズ | 2人用サイズ。一般的 |
210×210 | クィーンサイズ | ゆったり広めのダブルサイズ。 |
230×210 | キングサイズ | カナリ広めのサイズ。王様用? |