掛けふとんの「側生地の違い」にはそこまで差がないので
「詰め物の違い」について、チョット書いてみます。
羽毛の掛けふとん(羽根ふとんは除外)
- 重さ・・・とても軽い(シングルサイズで1.3kg前後)
- 暖かさ・・・とても暖かい(ただし、品質がピンキリ)
- 耐久性・・・一般的には10年
- 価格・・・1万円台~200万円くらい(ピンからキリまで)
- 対アレルギー・・・弱い(側生地・カバーで補えることも)
- おススメの方は・・・ズバリ軽くて暖かいふとんを探している方。
今のところ
トータルで見ると、掛け寝具で「羽毛掛けふとん」に勝るものはないのでは。
軽くて暖かく、耐久性もあり、品揃えも多い掛けふとんです。
ただし、ダウン比率が50%以下の「羽根ふとん」は除きます。
「羽毛掛けふとん」という名称は、ダウン比率が50%以上のものにしか使えません。
どうしても、ふとんの縫い目から
「ファイバー」と呼ばれる羽毛の繊維や「フェザー」が出てきますから、
アレルギーの方は、違うふとんを選んだ方がいいかもしれません。
最近では、側生地にゴアテックスを使って羽毛の吹き出しを防いだり、
高密度織の掛けふとんカバーを掛け、ホコリを出にくくして
羽毛掛けふとんを使っている方も多いです。
また、最近では羽毛の掛けふとんはリフォームできるので、
薄く・寒くなってきたらリフォームを考えてみて下さい。
羊毛の掛けふとん
- 重さ・・・やや重い(シングルサイズで2.0kg前後)
- 暖かさ・・・やや暖かい
- 耐久性・・・短い(もって数年)
- 価格・・・1万円台~2万円くらい
- 対アレルギー・・・弱い(側生地・カバーで補えることも)
- おススメの方は・・・手ごろな価格を求める方。少々重い掛けふとんでも平気という方
羊毛、つまりヒツジの毛を使った掛けふとんです。
と、言っても詰め物が羊毛100%である事は少なく、
ほとんどが「羊毛50%・ポリエステル50%の混紡わた」です。
※コストと重さの問題かと思います。
羊毛は吸湿性があるので、湿気には割と強いです。
綿わたの掛けふとん
- 重さ・・・かなり重い(シングルサイズで4.5kg前後)
- 暖かさ・・・やや暖かい
- 耐久性・・・やや短い(5年くらいで打ち直し)
- 価格・・・1万円台~2万円くらい
- 対アレルギー・・・弱い(ホコリが出やすい)
- おススメの方は・・・掛けふとんは重くないと暖かくない、という方。←いや、結構おられるんですよ。
昔ながらの掛けふとん。綿花のわたを詰めたふとんです。
綿わたの掛けふとんは、詰め物重量が約4.5kg(!!)
激重です(笑)
綿わたは嵩が出にくいので、たくさん詰めないと暖かくならないんです。
※時々、「たくさん入れたら重たいし、軽く作ってね」と言われますが…
軽くしたら、寒くなりやすいんです。こういう時は、悩みます(笑)
綿わた掛けふとんのイイ所は、打ち直しができるところ。
5年くらいたってヘタって来たら、打ち直し(リフォーム的な)できます。
打ち直し時には、足しわたをするので
打ち直し前より重くなります。
最初から重いのに、さらに重くなるんです(笑)
ですから、掛けふとんを打ち直しするときは
敷きふとんに打ち直しすることをおススメします。
また、綿わたの掛けふとんは吸湿性が高いので
マメに干して湿気を飛ばさないと、ジットリ重く・寒くなります。
ポリエステルの掛けふとん
- 重さ・・・やや重い(シングルサイズで1.8kg前後)
- 暖かさ・・・やや暖かい
- 耐久性・・・やや短い(5年、くらいは使えると思います)
- 価格・・・1万円台~2万円くらい
- 対アレルギー・・・ものによっては強い(ダクロン社製の対アレルギーわた)
- おススメの方は・・・手ごろな掛けふとんお探しの方。ダクロン社製のふとんは、アレルギーの方におススメ
ポリエステルの掛けふとんは、洗えるものも多く(ウォシュロンなどなど)
ダクロン社(旧インビスタ社)のわたはアレルギーの方にも対応しています。
ダクロン社のわたは、繊維が切れにくく(ホコリが出にくい)
洗濯機に入ればご家庭で洗濯できますから、ホコリなどのアレルゲンも落ちやすいです。
弱点は…やはり石油化学製品です。
吸湿性がほとんどないので、ムレ感には弱いですね。
まわた(真綿)の掛けふとん
- 重さ・・・重い(1.0kgのものが多いが、あくまで肌ふとんです)
- 暖かさ・・・とても暖かい
- 耐久性・・・???(生地が摩擦で破れたら寿命。ただし使えない事もない)
- 価格・・・5万円台~20万円くらい
- 対アレルギー・・・強い(シルク100%。アレルギーをきわめて起こしにくい)
- おススメの方は・・・マンションにお住まいの方や、アレルギーの方におススメ
よく、「綿わた」のおふとんと間違われる「真綿掛けふとん」。
綿わたの掛けふとんは「綿花」のわたで作ったふとんですが、
まわた(真綿)の掛けふとんは”手引き”の”シルク”を入れた掛けふとんです。
また、「シルクわた」の掛けふとんは
シルクのくずワタを入れた掛けふとんです。
シルクの繊維が切れているため、
ふとんの中でわたが偏りやすいです。
これに対し、
まわた掛けふとんは、
「角まわた」もしくは「帽子まわた」という
シルクのカタマリを職人さん2人で引き伸ばして重ね、
詰め物を成形します。
ですから、
まわたの掛けふとんは、繊維がほぼ切れていません。
このためホコリが出にくいふとんとなっています。
さらに、
シルクは人間の肌のタンパク質と組成が似ているので、
体内に入ってもアレルギーを起こしにくいんです。
まわたのふとんは
シングルサイズ1.0kgで作られることがほとんどです。
※手間、コスト、重さ等の問題かと…
1.0kgの真綿掛けふとんは
真冬に一枚で使うには、少々心もとないです。
ですから、
真冬には羽毛布団の下にかけて
それ以外の季節は一枚で使ってください。
まわたは、厚みが出にくい素材ですが
厚みの割に保温力は強く
吸湿性に優れています。