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硬い敷きふとんと腰痛の話
どんな敷き布団で寝てますか?
「わしゃー、腰がわるいけぇせんべい布団がええんよのぅ」←広島弁上級者向け(笑)
「使い古した綿の敷き布団がいいよねー」とか。
寝具専門店やってるとよく言われるんです。
でも、それでいいんでしょうか?
硬い敷き寝具の実体験から語ります
まず、わたしがキャンプに行ったところから話が始まります。
キャンプとは言っても、ロッジ(簡単な木のおうち)に宿泊しました。
ベットやふとんは付いておらず、硬い木の床の上に銀マットを敷き、その上でシュラフにくるまって眠りました。
つまり、すっごく硬い敷き寝具での睡眠です。
床部分のクッション性はほぼゼロです。
シュラフの体圧分散性能なんてほぼありません。
結果、2泊3日でひどい腰痛と肩こり・寝違えに悩まされました(笑)
そう、ふとん屋さんなのに寝起きの腰痛・肩こりです!!
腰痛や肩こりにお悩みの方の気持ちがよくわかりましたよ~。
その痛みの中考えました。
「なんで腰が痛くなったのか?」
「その眠りの環境になにが足りなかったのか?」
「どうすればもっと良く眠れたのか」
「痛いって、眠れないって辛いじゃないかコンチクショー」と(笑)
その時の、私なりの考察を少々書いてみます。
結果を先に言っておきます。
やっぱりね、硬すぎる敷き寝具では眠れないんです。
腰も痛くなったし。
敷きふとん考察1「こんな感じで眠っていました」
1.季節(つまり気温の条件ですね)
山間部なので、おそらく気温は25度前後。快適です。
夜間は、もうチョット冷えたかもしれません。
2.敷き寝具(これがいけなかった)
発泡素材に銀色のシートを張り付けてあるため、キャンプ用の断熱・クッション材としてよく使われます。
この時は、ちょっと厚めの「厚み1cm位」のものを敷いて眠っていました。
少しでも寝心地をよくしたかったので…。
昔、バックパッカー的な事をやっていたときはもっと薄いものを使っていました(寝心地より、収納性重視)
が、今は「車移動」なので、少々かさが張っても寝心地のいい厚めのマットを選びました。
それでも、「通常の敷きふとん」よりかなり薄いです。
↑↑こんなやつです。このくらいの厚さ↑↑
3.掛けもの(関係なさそうですね)
その他には、寝袋を使いました。
ポリエステルわたの入ったもので形は「マミータイプ」と言われるやつです。(←「マミー」は「お母サマ」のマミーではなく、たしか「ミイラ」っていう意味(笑)です)
スリーシーズンタイプ(春夏秋用)ですし厚みも知れています。
寝袋は、基本的には保温のために使うものなので寝ている時の姿勢には影響しません。
今回はあまり関係ないかも。
敷きふとん考察2「で、どうなったか」
1.腰が痛くなりました(泣)
朝起きると、腰が痛い痛い(泣)
ぎっくり腰になりそうでした。
まず四つん這いになって、ゆっくりと起き上がって、イテテテ(笑)
腰痛の人には「硬い敷きふとん」がイイって言う話もありますが、???でした。
硬い敷き寝具で寝たら、腰が痛くなったじゃん(笑)
2.肩こり?寝違え?首が回らない(笑)
左向きは45度が限界(笑)左後方から敵に襲われたら、ひとたまりもないでしょう。
もちろん、幕末・戦時中ではありませんし、
日本国内です。猛獣もいないので襲われることはありませんが(笑)
3.膝も微妙に違和感が
あと、全てに関わっているかもしれないのが「冷え」。
そういえば昼間、「唇がムラサキになる位」の冷たい川に入って泳いだり、遊んだり、釣りしたりしました。
足腰の冷えが下半身の血液・体液を冷やす
→冷えた血液・体液が内臓に流れる
→内臓が冷える
→血行不良
→腰痛・肩こり体質完成!!(笑)
の流れは、不調要因の一つとして考えられます。
体温の高い子供ならまだしも、私ももう若くない(40歳前…)ですし。
追記:現在45歳です(笑)
敷きふとん考察3「どうしてこうなるの?」
1.敷き寝具が硬過ぎた・薄すぎた
最近の研究によると、
適切な「寝姿勢」(直立姿勢を90度横にした状態)
と「寝床内環境」(気温33℃で湿度50度)を満たしていれば、ぐっすり眠れると言われています。
それを踏まえると…。
寝姿勢の保持がうまくいかなかったのが不調の原因かと。
「敷き寝具」(つまりここでは「銀マット」)が薄すぎて、ねどこが硬かったのが原因と考えました。
実は、「まくら」は普段使っている自分用の「オーダーメイド枕」を持ち込んだんです。
考察1-1に書いた通り、気温と湿度が適正。
まくらもいつも通りならば、「敷き寝具」の「不具合」以外考えられないでしょ。
2.敷き寝具が硬すぎると寝姿勢はどうなるの?
人間の体はカーブで出来ています。
頸椎と腰部は窪んでいるし、おしりと後頭部、背中は出っ張っています。
その他にも、背中・太もも・ふくらはぎなど、細かいカーブが沢山ありますよね。
むかしむかし、人間は2足直立歩行を始めた時から、
アタマと上半身を楽に支えるために、頸椎と腰椎にカーブを作りました。
4足歩行時と違い、
垂直方向にかかるようになった荷重を効率的に支えるため
そういう形に進化したと考えられています。
(結果、脳の容積を大きくしやすくなり、知能が発達した、という説も)
そのため脊椎(つまり背骨)は、
一つ一つの骨を組み合わせると全体がS字状にカーブするような形になっています。
そして、その骨の隙間は「椎間板」というクッション的な組織で支えています。
硬い床に仰向けに寝ると、この凹凸がまっすぐに矯正されます。
地球に重力がある限り、必ずです。
組み立てるとS字型になるパーツを(笑)
まっすぐに並べるとどうなるでしょうか?
骨のカドが所によって狭くなります。
狭くなると、クッション役の「椎間板」が、ギュッと圧迫されます。
ちなみに、「椎間板ヘルニア」は、
椎間板が圧迫される
→脊椎の神経側に椎間板が飛び出る
→神経に当たる
→すっごく痛いという状態です。
また、腰・首周りの筋肉は「骨がカーブした状態」が普通なので、骨が変にまっすぐに伸びると「緊張」したり「こわばったり」します。
この状態が一晩続くと、そりゃ痛いです。
毎晩続くと…慢性的に痛くなります(笑)
レントゲンを撮って、良く見ても異常がない腰痛は、
この「こわばり」が原因であるという考え方があります。
3.今回はこうしてこうなった…
今回の不調は
- 床面が硬すぎたため「腰の筋肉のこわばり」による腰痛。
- 以下の状況で肩首の寝違え。 仰向き寝が困難
→横向き寝になる
→床面硬すぎ
→横向き寝時の肩幅がまくらだけではカバーできない
→肩首寝違え
→仰向け寝
→最初から繰り返し(笑)
というメカニズム(笑)かなと考えました。
マッサージ屋さんに行き、筋肉をほぐしてもらうとそれだけでカナリ楽になりました。
疲れも手伝って、気持ち良くて寝てしまいました。
しかし約4,000円/1回は、おこづかい制の私には結構こたえた(笑)
敷きふとん考察4「できるなら予防したい。辛いし」
そんな訳で、マメにマッサージ屋さんには行かれません(笑)
っていうより、痛くなる前に予防したいです。
皆さんもそうでしょうが、私も痛いのはイヤだからです(笑)
キャンプではしょうがないとしても、日常生活では二度とごめんです。
世間には、同じようなお悩みを持っている方もいるでしょう。
いや、いっぱいいるに決まってる。
(ちなみに、調べてみるとホントに多かった↓↓)
※腰痛に悩む日本人は全国で2800万人(!)日本人の40代~60代では約4割(!!)の方が腰痛持ち(厚労省調べ)
そんなお悩みをお持ちの方、どうすれば予防できるでしょうか。
レアメタル並みに限りある、私のおこづかいの為にも(笑)考えてみました。
さわやかな朝を迎え、快適な一日をすごすために出来ること。
1.やはり、敷き寝具のグレードアップです。
敷き寝具の見直し。これしかないでしょうね~。
お分かりと思いますが、ペチャンコで硬い敷き寝具はダメです。
でも、どうやって選びましょう?
「あの人(芸能人)もテレビで良いって言ってたし」という方法で選びます?
ちょっと違いますよね。 みんな体重も骨格も違うんですよ。
腰のカーブ・背中の湾曲とか。
ただやみくもに、名の知れた高い寝具を買い揃えても、
メーカーさんとスポンサー契約を結ばれた著名人の方々が喜ぶだけです(笑)
お悩みの解決になるかどうか…。
じゃ、どうやって敷き寝具を選べばいいのでしょうか。
腰が痛い中考えた「ふとん屋の考察」。
いよいよ佳境でございます(笑)
2.敷きふとん選びのポイントは「腰のカーブ」じゃない?
ええっと、今回の不調を体験して、
結局は「脊椎のカーブ」を失う寝姿勢が腰を悪くするんじゃないかな、と考えました。
簡単に言えば「硬い床の上での就寝」は、
腰椎のカーブを無理やりまっすぐに矯正しちゃうから腰が痛くなるんです。
だったら、その人の「腰椎のカーブ」を保ってくれる程度に
「柔らかい」「厚みのある」敷き寝具で眠ればいいんです。←ココ大事です。
しかし、ここで注意しないといけないのが「柔らかすぎる」敷き寝具。
人間が横になった時、腰の部分に「その人の全体重の44%」
の荷重がかかるのは有名な話です。
ということは、体重が100㎏の人だと44㎏・
体重が60㎏の人だと26㎏の荷重が「腰の部分」にかかるんです。
沈み込み過ぎる敷き寝具は、
寝た時の姿勢が腰の曲がった「くの字型」になりこれまたシンドイです。
支える重さが変わるからには、
敷き寝具の硬さのセレクトは、使う人によって変えないといけませんよね。
テレビに出ているあの人が使っているからって言う理由で
「かた~い敷き寝具」を無理して使っていませんか?
それ、あなたの体重にあってないかも(笑)
(もちろん、その敷きふとんがしっくりくる方もおられますが)
あとは、厚み。
直立したとき、腰のカーブが大きい方・おしりのでっぱりが大きい方は、
厚めの敷き寝具がいいようです。
腰のカーブを「受け止めきれる厚さ」の敷き寝具を選ぶのがおススメです。
3.「横向き寝」も注意!!
さて、これまでは「仰向き寝」(つまり上を向いて眠る状態)時の姿勢を支える
「適切な敷きふとん」を考えてきました。
しかし、一晩に20回ほど繰り返される「寝返り」や、
すでに腰が痛くて、横向き寝じゃないと寝られない、
という人を考えると、横向き寝時の姿勢も大事です。
横向き寝の場合、肩幅と顔の大きさがポイントです。
いちばん困るのが「小顔」で「肩幅が広い」方。
上の図のBとAの長さの差が大きい方です。
この差が大きいとソフトな敷きふとんでB-Aの長さを受け止めるか、
まくらを高くしないと、いろいろな症状が出てきます。私みたいに(笑)
上の図のように青い点線とグリーンの実線がまっすぐになるような
「敷きふとん」と「まくら」の組み合わせが最高です。
実際に横向きに寝てみて、
このような姿勢が取られれば、気持ち良く寝られるはずです。
敷きふとん考察5「実践しなきゃ状況は変わらない」
どうでしょうか、私の考察、分かりやすかったですか?
思いや考えを分かりやすく文章にするってムズカシイ(笑)ですね。
腰痛・肩こり・腕のしびれ等でお悩みの方、
このページが参考になったら幸いです。
そして、参考にするだけでなく実践してみて下さい。
今お使いのふとんを、おうちにある別の「敷きふとん」に変えてみるとか、
別の「まくら」に変えてみるとか。 それでもだめだったら、木村寝具店に来店してみて下さい。
おちからになれる、かもしれません(笑)
なんでこんなことを書くのか、と言いますと…。
オーダーメイドまくらを作りに来てくださるお客様がよく言われるんです。
「忙しくってなかなか来られなくって」
「ずっと肩こりがつらかったんです。もっと早く来ればよかった」などなど。
今ある寝具で「寝られない」という事はないかもしれません。
でもね、眠りって大事なんですよ。
眠らないと死んじゃうんですよ(←これホント)
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