なぜムートンがいいのか?

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ムートンの話その1その2で、ちゃんとしたムートンシーツを作るために、
どれだけの手間とこだわりが詰まっているか、お分かりになったかと思います。

  しかし、ここである疑問がわいてるんじゃないでしょうか。

「ムートンシーツじゃないとダメなの?」
「羊毛混の敷きふとんでもいいじゃん。同じ羊の毛だし」

そんな方もいると思います。
以前(自分でムートンシーツを使ってみるまで)は私もそう思っていました。

そこでムートンシーツを使う利点・他にはない特徴を紹介します。

1.ムートンシーツ|体圧分散性能

一番にあげられるのは「体圧分散性能」でしょう。

ちゃんとしたムートン(例えば、今回の工場で製造しているムートン)は毛の密度が高いです。

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 今回の工場で製造しているムートンシーツは、毛皮の中でも「毛の密度の良い部分」のみセレクトして使っています。

天然のものなので多少のばらつきはありますが(ばらつかないように、一人の社員さんが選別しています)大体1㎠あたり4000本の密度で毛が生えています。
 ※もっと高品質なものでは5000本/㎠位のもあります。

 毛の密度が高いと、横になった時体を支える力が強いので、体重が集中してかかる部分が少なくなり、快適な寝心地となります。
つまり、体圧分散性能が高いんです。

 病院でも床ずれ防止にムートンが使われています。血流を妨げにくく・蒸れにくいので医療の現場でも活躍しています。
(床ずれ(褥瘡)の原因は、1.圧迫による血流悪化 2.皮膚が常に湿っている 3.皮膚が常に乾燥している、だそうです。)

※オーストラリア・ニュージーランドのベビーカーには、ほとんどムートンが敷いてあるそうです。
 寝返りの打てない赤ちゃんは、背中の血行が妨げられると不快になり泣く、とも言われています。(お腹へった・おむつ替えて、もありますが)抱っこしてもらえると、背中がラクになるので泣き止むんですね。
 ムートンは、赤ちゃんの背中の「毛細血管の血行」を邪魔しにくいので赤ちゃんも良く寝られると言われています。

メーカーの商品開発者も「ムートンには勝てない」と

 近年、寝具メーカー各社から、「体圧分散性能」をうたった敷きふとんが出ていますね。
いや、アレもいいんですよ。ウチも売ってますし

 でもね、寝具メーカーのモノづくりをしている方が言うんです。
「木村さん、やっぱりね、体圧分散性能はどうやっても、どんないい敷きふとんを作っても、ムートンシーツに勝てないんだよね~。」

 「1㎠あたり」に「3cm位の極細毛」を「3千本以上」植毛する技術が出来れば、もしかすると…(※ア○○ネイ○ャーもビックリですが)いや、コストが凄そうです

2.ムートンシーツ|高吸湿性・低吸水性

高吸湿性

sukeru ムートンは「羊の毛皮」です。でも「羊の毛」であるウールとはちょっと違うんです。
 ウールは、染色ムラを無くし、ちぢみを防ぐために本来なら羊の毛の表面を覆っている「スケール」というウロコ状の層を取ってしまっています。
(左図はムートンの毛の拡大図です。画才がなくてゴメンナサイ)


 これに対して、ムートンの毛はスケール除去をしていません。

この「スケール」、湿度によって開いたり閉じたりして湿気を調節してくれる優れものです。

  ムートンの吸湿性は、ポリエステルの40倍・木綿の2倍あります。
 この吸湿性は夏場の「蒸れ」に対しても有効で
「一見暑そうなんですが、不思議と快適だった」とムートンシーツを夏場使用された方がおっしゃってました。

 

低吸水性

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 ムートンの毛は水をはじきます。表面の「スケール」構造は撥水作用があるので、水分をはじきます。
 実際、ムートンシーツに水を垂らすと水が玉になって染み込みません。そのため、水溶性の汚れが付きにくくなっています。
(ハスの葉みたいな感じです)

 ひどく汗をかいたり、なにかをこぼしてしまったら、しっかり絞った雑巾で拭いてあげると大体取れます。

2.ムートンシーツ|寝ると…気持ちいいんです。

私も使用を初めてはや5年。年中使っています。

ここから書く事は、あくまでわたし個人の感想です。
「販売者の使った感想なんてアテにはなんないよ」という方、おっしゃる通りですが

使うと本当によく眠れます。
ムートンシーツがないと眠りが浅くなりしんどいですね。

以下に私がムートンシーツを使い始めてどうだったか、を書いておきます。

それまで使っていた敷き寝具

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ムートンシーツを使う以前は、いわゆる「体圧分散系の敷きふとん」を使っていました。大体シングル5万円位の物、安物ではありません。

この敷きふとん、結構満足していました。
私、「ギックリ腰」もちで腰が悪いんですが、この敷きふとんを使い始めたころから、ひどいギックリ腰にならなくなっていました。

ムートンシーツも使い始めた

先日ひょんなことから、ムートンシーツを購入し使うことになりました。実勢価格15万円位の品です。

このムートンシーツ、敷き寝具の中ではかなり高額です。
でもムートンシーツの中では割とお手軽ランクです(!)なんせ、長毛タイプになると実勢価格が50万円位するものもありますから(驚)

季節は確か9月。ムートンに埋もれると暑い感じがしそうだったので、シーツに「敷きふとんカバー」を掛けて、下に「某有名高反発マット」(実勢価格3万円位)を敷いて使い始めました。

まず、感じたこと

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初日の晩、ムートンシーツに横になってみて思ったことは、「なんかこれすごくキモチイイ」という感想。

柔らかいような、コシがあるような。ほかにはない寝心地です。

仰向けに寝た時、腰骨のカーブ部分に隙間が空いてない。
大げさに言えば、体が宙に浮いたような感触です。硬い床を感じない。

不思議と暑さは感じませんでした。良く考えると「羊毛混の敷きふとん」って羊毛とポリエステルを混ぜた”わた”を生地で包んでるんですから、吸湿性の高い「ウール100%」を敷きふとんカバーで包んだ今の状態ってそれより快適です。これで暑ければ、どんな敷きふとんでも暑いでしょうね。

朝、思ったこと

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次の日の朝、起きて思ったことは「いやー、良く寝た」です

「ぐっすり眠れた感」がとてもありました。(あくまで、私個人の感想です。効果効能を保証するものではありません)

これはシアワセです。
それまでの体圧分散敷きに不満はなかったので、体のどこがどうなったというのはありませんが、とにかくよく眠れた。
「感触が気持ちいい」寝具はよく眠れる、と言われますがそれもあるのかもしれません。

のちに睡眠と寝具を勉強した時に聞いた睡眠のメカニズムにその答えがありました。

  1. 人間は入眠時、深部体温を下げるためにまず体表面の温度を上げます。
  2. その後、体表面から汗を水蒸気の状態で発散し放熱します。
  3. その水蒸気をムートンなどの天然素材で吸湿すると
  4. 最初の3時間の眠りが深くなり
  5. 翌朝感じる睡眠の満足度が上がる。

という事が研究結果で分かっているそうです。

ムートンシーツの快適さは湿気の吸収がカギの一つだったんですね。

寒くなってから…

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 さて、しばらくして冬になり寒くなってきました。

当然掛け物は冬のふとんに変わり、毛布を掛け…となったのですが、下は寒くないんです(笑)

 私のムートンシーツ、実はずーっと敷き布団カバーをかけたまま使っているのですが、暖かい。
ムートンシーツは微細な毛の間に空気を含んでいるため「底冷え」しにくいようです。

欠点もありました

気持ちよく眠れる毎日が続く中、お客さんのところに配達に行くことがありました。
そこで言われたのが…
「以前かったムートンシーツなんだけど、部分的に凹んできた」
「お手入れ用のクシで毛をほぐしたが、元に戻らない」
「もうダメになったの?」という事でした。
 私実はこの時、ムートン工場で「ムートンのお手入れ方法」を仕込まれたばかりでして…(笑)
「ちょっと見せて下さい」&「お手入れ用のクシ貸して下さい」そして、お手入れしてみました。


私「こうやって、こうするんですよー」
お客様「あれ?毛が起きてる。元に戻った!」
私「いや~。僕も習ったばかりで、やって見たかったんですよ(笑)」
お客様「あとは自分でやるんでいいです。ありがとう」

ムートンの毛起こしって、ちょっとしたコツがあるんです。
そこはまたご紹介するとして、ここで言いたいのはムートンは「手入れ」がいるという事です。

この時、お客様のムートンは購入から約8か月たっていました。

ムートンシーツの状態としては部分的に凹んだ場所がありました。
凹んだ場所は毛が固まり、いわゆる「フェルト化」しかけているようでした。

体圧分散する以上、体圧がしっかりかかる部分は毛が寝ることで体圧を他の部分に逃がさないといけません。
短時間なら圧力を取り除けば毛は戻りますが、長時間同じところで寝ていると毛が寝て固まります。

毛の密度は変わらないので毛が寝ていても支える力はあまり変わらないとは思いますが、あまり放っておくと余計固まって寝心地が悪くなりますから、付属のブラシで定期的に毛を起こす「お手入れ」が必要となります。

また、ブラシをかけても元に戻らなくなった場合、専用工場にクリーニングに出すことをお勧めします。専用工場でクリーニングすると、相当いい状態まで戻ります。価格は約2万円位。

いい敷き寝具ですから、時々手間をかけて大事に長く使って下さい。
ちなみに当店(木村寝具店)でお買い上げのムートンは
電話してお持ち込み頂くと無料で毛起し&除菌消臭サービスをしています。
ご利用くださいね。

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