市場に出回っている、フランス産羽毛の半数が産地偽装されている、というお話し。
今日はコレについて語らねばならないでしょう。
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前情報と記事が違った。
記事を読んだ感想は…
「あ~あ、とうとう出たか」だったんです。
実は、今年の2月(?だったと思うんです)くらいには
わたしのもとに、それなりの情報は入っていまして。
微妙に内容が違ったのですが、
某新聞会社・羽毛産地偽装調査っていうフレーズは合ってました。
私が聞いた話だと、某新聞会社さんはポーランドまで取材に行ったとか
…ん?ポーランド?(笑)国が違いますね。
告発されそうなトコもアソコとアソコで違う会社だったような…
事前情報が間違っていたのかもしれませんね。
羽毛産地偽装|寝具製造業界の問題
- 羽毛の産地
- ダウン比率
- ダックorグース
などの「スペック」で値段が決まっています。
上記3点は、
仕入れする時にも販売するときにも必ず出てくるフレーズ。
逆にこれがないと
「???なんでないの?」って聞くくらいです。
※「DP(ダウンパワー)表示」や一時期使われた「嵩高表示(かさだかひょうじ)」
などの表記もありますが、あくまで次席かと…。
ハンガリー・ポーランドなど、有名産地で
なおかつダウン比率のいい(高い)羽毛は高く売れます。
さらに、万が一羽毛掛けふとんの側生地を外し、
羽毛を検査しても、見た目ではハンガリー産かフランス産かなんて
誰にもわかりません。どんなプロでもです。
※ダックダウンかグースダウンか、は分かります。
顕微鏡で見れば羽毛の毛の部分の突起位置でわかるんですわ~
詳しくはコチラ→羽毛掛けふとんの話(その1)ちなみに、↓ダックダウン拡大図↓
毛の途中に突起物があるのが「グースダウン」です
ちょっと話がそれました~。
って言う事は、
悪いココロをもった方が
「ちょっと儲けちゃおう♪」って思ったら…
誤魔化しやすいですね。
過去にあった出来事ですが、
ハンガリーから輸出された年間原毛量に対し、
日本国内に流通している「ハンガリー産羽毛」の量が
滅多ヤタラに多い事が判明(笑)
ハンガリー大使館から「怒りのお触れ」が回ったことがありました。
10年くらい前かな~。そりゃ怒るわ。
これが「寝具業界側」の問題点です。
羽毛産地偽装|寝具販売業界の問題
寝具業界でも近年飛躍的に伸びている
「通信販売」
つまり、
「テレビ通販」とか「新聞・カタログ通販」そして「ネット販売」ですね。
実際に店舗に足を運ばなくても買い物ができる、
とっても便利なお買い物方法です。
通信販売では、実物を触ることがないので
「スペック」と「価格」で判断し購入するしかありません。
ちょっとでもスペックの高い羽毛掛けふとんを
少しでも安く仕入れたい、と一生懸命になった結果、
販売業者さん「このスペックの羽毛布団、〇〇円で出ない?」
メーカー営業さん「いやさすがにそれは…。」
販売業者さん「〇〇枚契約するからさー。」
メーカー営業さん「んん!頑張ります!」
メーカーさん帰社。
メーカー商品課さん「この羽毛をこの値段で出すの?」
メーカー商品課さん「え、赤字じゃん。ちょっとなんとかならないの?」
羽毛ブローカーさん「いい羽毛ありますよ~へッヘッへ」
的なことがあったかも(笑)しれません。
通信販売会社さんは販売枚数がとっても多いので、
そういった交渉はしやすいと思われます。
この景気の悪い時代に、巨額の売り上げを逃すってキツイですし。
これが販売業界側からの問題点です。
ブローカーさんが原毛を輸入する時、
某国を通過すると、なぜか羽毛の量が増えちゃう、という笑えない伝説もあるんです。
じゃ、購入する時はどうすればいいの?
わたしは、現在寝具専門店を営んでいます。
羽毛布団は、「信用できるメーカーさん」から仕入れてます。
メーカーさんを信用しているので…
表記している産地もダウン比率も正しいものだと信じるようにしています。
そこを疑い始めると…仕入れの判断が難しい、という事もあります。
※それって、メーカーさんに責任を押し付けているのかもしれませんね。
ただ、必ず羽毛布団を触って判断します。
- 生地の具合(柔らかさ)
- 羽毛のふくらみ(手でふとんを挟み、羽毛の反発力を比較する)
- ニオイ(臭いのキツイ物は仕入れない)
の3点を重視しています。
羽毛布団を購入する方は
イロイロな羽毛布団を触って、
この3点を確認しながら購入されるといいんじゃないかな、と思います。
品質表示に記載されている産地・ダウン表示は目安です。
自分の感覚を信じて選んでください。
「でも、私は素人だから分からない」って言うかたがいますが、それは違います。
だって毎日寝てるでしょ(笑)実は、みんな「眠りのプロ」です。
出来れば実際に羽毛布団をかけて見て下さい。
ウチのお店ではそうしています。
寝具業界の今後は
私なんかが、寝具業界の今後を語るなんて、
1億5千万年早い、のですが(笑)
いっそ、産地表記をやめちゃえばいいんじゃないかな、と思います。
もしかすると、寝具業界もそれを狙っているのかもしれません。
業界では数年前から、「ダウン比率」に変わる羽毛の評価基準として
- 「かさ高表示」←彗星のように現れ、DP表示にとってかわられました(笑)
- 「DP(ダウンパワー)表示」←現在主流
への切り替えを進めています。
(現在では、まだ次席の判断基準でしかないと思いますが)
これらは、産地・ダウン比率に関係なく
公平な環境での羽毛の復元率を測ったもので、
羽毛布団を実際に使用するときの「暖かさの比較」に
より近いものだと思います。
これらの動きは、産地やダウン比率を廃止するための布石、かもしれません(笑)
わたしも、今後は現在主流のDP表記に一本化していくといいんじゃないかな~、と思います。
品質表示の法律的な問題もありますけどねー。
後日追記(2016年5月14日)
ええ?!羽毛産地偽装に関連する話題で、
衝撃的な事件が…
以下は、日刊ゲンダイの記事リンクです。
ミヤネ屋で羽毛産地偽装の報道中に
某企業のフランス産ダックを使った商品のCMが入ったとの事…
こんな事が起きたら普通は…
スポンサーさんは激怒&スポンサーを降りるでしょうね
某企業さんが、もしも、スポンサーを降りなかったら…
すっごい我慢強い方なのか…テレビCMってそんな単純なものではないのかもしれません。
偽装報道の後、いろんなメーカーさんから
「ウチは大丈夫。」なFAXや発表や告知が。
じゃ、どこがやっているのでしょうか(笑)
消費者の方には、
実物を「触って」「品質を自分で比較して」「買う」、と言う事を
強く勧めます。
品質表示に頼らず、
自分の感覚を信じて買い物するべきではないでしょうか?
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