私「まくら職人」は明治23年から続く”寝具専門店”を営んでおります(ちなみに5代目です)
そんな私が、独断・偏見・経験と羨望から考える「自分が使いたい寝具」をご紹介します。
さて、第3回は「真綿掛け布団」。「真綿」は「綿わた」ではなく「シルク」ですね。昔ながらの「綿わた」のおふとんを使っている方は多いと思います。
でも真綿のお布団を使っている方は、少数派でしょう。
このページの目次
まずは「真綿掛け布団」とはなにか?から
真綿掛け布団とは、カイコの繭をお湯の中でほぐして作った
厚めのシルク(真綿)の薄いかたまり(形状により、”角まわた”や”帽子まわた”などの種類アリ)
を職人さんが2人で引っ張り、数十枚から数百枚を広げて重ねて作った
「手引き真綿」をシルクなどの側生地で包んだ”薄手の掛け布団”です。
使用するシーズンは、1枚なら春・夏・秋です。真冬は1枚ではちょっと厳しいです。
ただし、羽毛布団の下に毛布代わりに掛けて使う方が多いので
そういう使い方をすれば、年中使うことが出来ます。
なぜ真綿掛け布団を使いたいか
- 柔らかいので体にピッタリくっついて暖かい。肌ふとん系では最高のフィット性。
- 体から出る湿気を吸収して、サラッと気持ちいい。汗をかいて体を冷やさない。
- 中わたが片寄らない。シルクなのでアレルギーの方にも安心。
です。
真綿肌掛け布団の良さは…触ると分かります。
トロンとした柔らかさは、触った人に”これを掛けて寝てみたいなー”、と思わせます。
私はそう思ったのですが、思わなかったらゴメンナサイ。
真綿掛け布団じゃない”シルク肌掛け布団”なら使わなくてもいいかなー
紛らわしいのですが、同じく中身がシルクの”シルク肌掛け布団”という肌掛けもあります。
シルク肌掛け布団は、私は使いたくないです。
シルク肌掛け布団は、手引きでないちぎれたシルク繊維が入っていて…使うと中わたが片寄ります。
しかも、5~6年ほど前、通販で販売されていたシルク肌掛け布団の充填物から
糸くずとかいろんなものが出てきた、という事件がありまして…回収騒ぎに。
それ以来シルク肌掛け布団があまり好きではありません。
シルクを構成するアミノ酸は人体に近い
シルクを構成するアミノ酸は人体の組成に近いため
人間の体内に入ってもアレルギー反応が起きにくいんです。
私は、ハウスダストアレルギーを持っているので、その点もありがたいです。
アクリルやポリエステルの毛布を使うと、静電気がホコリを呼びますし
毛布の繊維自体もくしゃみや鼻水、せきの原因になります。
真綿掛け布団は、そもそも繊維が長くホコリが出にくい構造なのですが
繊維が切れて体内に入っても安心です。
真綿掛け布団、見てみたいな~と言う方は…