「(充填物が)羽毛でなくてポリでもない肌布団ありますか?」と…「ここだったら、そんな肌布団があると思って…」とも言って頂きました。
…ええ、じつは色々な肌布団があるんです。どれにしましょう?の前に
まずは、なんで羽毛とポリエステルの肌布団がダメなのか、をお聞きしました。
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ポリエステルの肌布団は蒸れるし不快
ご存知の通り、ポリエステルは石油化学製品です。
ですから、吸湿性はほぼゼロなんです。
”掛け布団の詰め物”の原料としては安価なので、そういう点では優秀です。
また、ダクロン社製のわただと洗濯がしやすかったり、アレルギーの方向けに
繊維が切れにくく、ホコリが出にくい”ポリエステルわた”もあります。
ただし、吸湿性に劣るため、夏場にポリエステルの肌掛け布団を掛けていると
「んー、暑いわ!」となりやすいです。
当然この時は目が覚めているわけですから、
睡眠の質が下がります。つまり寝ても疲れが取れにくいです。
羽毛の肌布団は…
羽毛の掛け布団もそうなんですが、
羽毛を使った布団の生地には”ダウンプルーフ加工”という加工が施されます。
(ごくたまに”ダウンプルーフ加工”をしていない布団もあります)
これは生地から羽毛が吹き出ないようにする目つぶし加工なのですが
引き換えに生地の柔らかさを奪ってしまいます。つまり生地が硬くなりやすいんです。
羽毛肌布団は充填量が0.3㎏前後の事が多く…軽い掛け布団です。
生地が硬いと体の曲線に布団がそぐわず、隙間が空きやすくなります。
肌掛け布団は、使う季節が暑い時期であることが多いため、
隙間が空いた方が涼しくていい時もあるのですが、問題は”明け方”。
”明け方”は一日で一番気温が下がる時間帯なので…
掛け布団の保温力が足りないと「さぶっ」と目が覚めたりします。
目が覚めちゃっているので、睡眠の質が…アレです。
羽毛でなく、ポリでない肌布団・「真綿の肌掛け布団」
ここでも何回かお話していますが、羽毛でなくポリエステルでない肌布団に
「真綿の肌布団」があります。
真綿は「手引きのシルク」です。そのシルクの原料はカイコの繭。
カイコの繭、つまりシルクはカイコが大人になるまで外気から身を守るためのバリアなので
温度変化・湿度変化に強いという特徴があります。
特に、大洲など今でも残っている純国産シルクの産地は内陸に位置していて
昼間と夜間の温度差が大きいことが多いです。(大洲のシルク産地を実際に見に行った時の話)
そんな地域で育っているカイコは、やっぱり寒暖差に強いはず…あ、話がそれました。
「真綿の肌布団」は、フィット性が高く、薄さのわりに暖かいのが特徴です。
(→寝具の素材と厚さで暖かさを比べた話)
↑厚みが薄い掛け布団だとシルクの保温力は羽毛を上回ります。
「真綿の肌布団」だと、明け方急に冷えても安心ですね。
今回のお客様も「真綿」を選ばれました。
現在、シングルサイズで12,800円(税込み)~各種
取り揃えています。よかったら見に来てください。
羽毛でなく、ポリでない肌布団・「綿わたの肌布団」
「綿わたの肌布団」はその名の通り”綿わた”が充填された肌掛布団です。
綿わたは、吸湿性は高いのですがシルクと比べて繊維が短いため
薄い肌掛け布団にすると、わたが偏りやすくなります。
現在、充填量0.4㎏で16,200円の綿わた肌布団があります。
わたが偏りにくいよう、キルトをしっかり掛けてしなやかな生地を使っています。
気になる方は、実物を見に来てください。
羽毛でなく、ポリでない肌布団・「麻の肌布団」
「麻の肌布団」という選択肢もあります。
麻は熱伝導の良い素材なので、体温より麻の肌布団が冷えていた場合
体の熱をスムーズに吸収してくれます。簡単に言いますと…触った時”ヒンヤリ”します。
※実は綿も同じくらい熱伝導の良い素材なのですが、麻の方が繊維がよりまっすぐで
太い(肌にあたる表面積が大きい)ため、よりヒンヤリします。
しかし、熱が伝わりきるとそれ以上は冷えません。
体を冷やしすぎない天然素材、なんですね。
麻の肌布団は、その性質上夏に使うと気持ちいいです。
当店では、昔の夏掛けサイズ(120×160cmサイズ)が
19,800円(税込み)です。
ただし当店在庫のみなので…気になる方はお早めに。
これからの季節は温度調節と湿度調節が大事
特に年齢を重ねると、快眠できる気温の許容範囲が狭くなります。
(簡単に言うと”寒がり”の”暑がり”に)
これらの調節は、掛け布団の役目。
- 寝苦しくて、寝付きが悪い
- 明け方目が覚める
- 何度もトイレに起きてしまう
という方、あなたに合った肌布団を見に来ませんか?
当店は広島市中区十日市町でオーダー枕を作っている寝具専門店です