羽毛布団ってダニとかつくんでしょ、と言うお客様がたまにおられます。
今日はそのお話しを少々。
結論から申し上げますと、羽毛布団内にダニは基本的には入りません。
万が一ダニが付いてしまっても薬剤を使わない簡単な方法で撃退できます。
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羽毛布団の生地は高密度
羽毛布団の生地には一部を除いて「ダウンプルーフ加工」という加工がされています。
ダウンプルーフ加工は文字通り、羽毛が吹き出てこないように生地の目をつぶす加工です。
一般的には、樹脂を使って熱と圧力を掛け縦糸と横糸で織られている
布の目をつぶします。
その結果、通気性は犠牲にしてしまいますがダニが出入りできないレベルまで
布の目をふさぐことができます。
このように羽毛布団の生地は高密度に加工されているため
羽毛が吹き出にくく、さらにダニも出入りできないとされています。
以上が寝具のメーカーさんでもよく言われる事です。
生地は大丈夫でも
羽毛布団の内部は「キルト」という小部屋に区切られています。
「キルト」がないと中の羽毛が片寄ってしまうからです。
キルトは各種ありますが、通常は羽毛布団内部に小部屋の壁となる生地を入れ、
表生地と裏生地に縫い付けて作られます。
上図の赤い点線部分が「キルト」です。
生地の表面に小さな縫い目が見えています。
という事は、ダウンプルーフ加工した生地に一度針が通っているわけです。
羽毛布団を使い込んでいくと、この針穴が広がるので
キルト部分から羽毛がちょっとずつ吹いてきたりします
もしかすると、羽毛が吹きだし始めた羽毛布団はこのキルト部分の穴が広がり
ダニの出入りがあるかも、しれません。
でもその可能性は薄いと思います。万が一内部に侵入できたとしても
出られないと思うんですよね。羽毛布団内部は広く出入口は狭いですから。
ダニがいそうなのはココ
ダニがいるとしたら、ですが
いそうなところはココです。
羽毛布団表面のキルト部分とキルトの交差部分です。
ここは凹んでシワになっている事も多く、
カバーを変えた時にわかるんですが小さなホコリが溜まりやすいんです。
長年使った羽毛布団のキルト部分に
うっすらホコリが溜まっているのを見た事ありませんか?
羽毛布団がどうこうではなくて、お家の床の上でもホコリが溜まったら
ダニがいたりしますよね。あれです。ハウスダストアレルギーの方の天敵ですね。
ここにはもしかしたらダニが付くかもしれません。
ですが、それは羽毛布団についたのではなく
羽毛布団にたまったホコリについた、という事です。
羽毛布団に限らず、アレルギーの人向けの洗える布団だってずっと使っていたら溜まりますし
綿わたの布団でも同じです。
布団の表面にダニが付いたとしたら、
どうすればダニを駆除できるでしょうか?
布団の表面のダニ退治:その1ホコリをとる
表面のホコリをとりましょう。
カバーを外して柔らかい小さいホウキなどで表面についたホコリを落とします。
もちろん、屋外でやった方がいいです。
布団叩きは使ってはいけません。
- 羽毛布団の生地が破れる
- キルトの縫い目が弱り羽毛が吹きやすくなる
- 中の羽毛が崩れ布団の嵩が減る
などが理由です。羽毛布団に限らず布団叩きはダメ絶対!
布団専用のノズルが付いた掃除機で吸うのもいいですね。
掃除機のヘッドについたローラーで生地を傷めないように注意してください。
布団の表面のダニ退治:その2ゴミ袋で退治
これ、裏技的な方法ですが
- 羽毛布団を黒いビニール袋に入れ口を縛る
- 炎天下の車内もしくは炎天下のベランダに2時間以上放置
するという方法があります。
ダニの死滅温度は50℃で20~30分です。
黒いビニール袋(ゴミ袋でOK)にいれた羽毛布団を
炎天下の車内やベランダに数時間放置しておくとアラ不思議。
あっという間に高温になり、ダニを退治できます。
お金もほとんどかからないですしいい方法でしょ。
お日様の力は偉大です。
ベランダを利用する場合、急な雨で濡れないようご注意ください。
※あくまで自己責任でお試しください。
布団の表面のダニ退治:その3洗う
いわゆるクリーニング(丸洗い)です。
丸洗いは、洗った後に高温乾燥するのでほぼダニを死滅できます。
ただし、頻繁に洗うと羽毛の嵩が落ちやすくなるため
5年に1回くらいにしておいた方がいいです。
また、コインランドリーで洗ったりする方もおられるようですが
おススメはできません。布団専門のクリーニング屋さんに依頼するのが無難です。
羽毛布団の中には生地がシルクやシルク混のものがあり、
人間の皮脂汚れが落ちる洗剤だとシルクを傷めてしまうこともあるからです。
大事な羽毛布団ですから、専門業者さんに出しましょう。
シングルサイズで5,000円程度の所が多いと思います。
寝具のご相談は木村寝具店まで