「羽毛の肌布団が臭うの。どうすればいい?」というお問い合わせが。
臭った状況をお聞きすると新しい気づきがあったのでお知らせします。

まず羽毛の臭いの感じ方に関しては個人差が大きく、
敏感な方とそれほど気にならない方に分かれます。それを前提でお話ししますね。

臭った羽毛肌布団はどういった商品だったか



臭った商品は

  • ダックダウン85% 0.3㎏充填
  • 側生地はポリエステル85%・綿15%
  • メーカーは国内メーカー(有名メーカーではない)

でした。

いわゆるTTC生地で普通の羽毛肌布団です。

西川株式会社やロマンス小杉といった有名メーカーではないため
羽毛の洗浄度が低いという事は考えられます。

臭った状況を教えて下さった


臭った状況を詳しく教えて下さりました。

  • 持って帰って締め切っている2階の部屋に置いていた
  • 用事があってその部屋に入ると部屋中に羽毛の臭いが充満していた
  • お店で見た時には臭いは感じなかった
    ※確認してみるとたしかに店頭の同じ商品は臭いませんでした。

との事でした。

臭った状況の推測



当時、全国的に熱中症アラートが発令。
広島市内も例外ではありませんでした。
外気で最高気温が33℃以上だったのでは。

締め切った2階はおそらく40℃前後。
湿度も高かったはずです(外気も高湿度)

寝具メーカーの倉庫に入ると夏場は特に羽毛が臭います。

寝具メーカーの倉庫はいろんな品質の羽毛布団があるため
どれが臭っているのかは特定できませんが臭いがします。

経験上(寝具メーカー勤務)高湿度高温状態が一番臭うため
梅雨時期からお盆くらいの時期が臭うように思います。

またダックダウンとグースダウンでは
一般的にダックのほうが臭いやすいです。

ダックは油脂分が多いのか採取後の始末がよくないのか臭いがでやすいんです。
お客様の羽毛肌掛け布団もダックダウンでしたので
臭った原因の一つかもしれません。

風を通して冷やしてみてもらった


どうしたらいい?との事でしたので
少々お手数をお掛けいただいて…

  • 締め切った部屋から出して風を通す
  • 羽毛の中の空気を押し出して入れ替える
  • 涼しい部屋に置いて冷やす

という事をお願いしました。
すると翌日、見てもらえますか?と持ってきてくださいました。

臭いのする羽毛肌布団をかいでみた



お客様と一緒に実物の臭いを確認してみました。

すると

  • 臭いは薄まったそうだが、確かにまだ少し臭う。
  • しかし店頭の同じ商品はほとんど臭わない。
  • 店頭のグースダウンの肌布団はやはり臭いが少ない

という事が分かりました。

という事は、

  1. 臭いやすいダックダウンは高温多湿な環境に置かれるとそれまで出なかった”羽毛の臭い”を出しはじめる
  2. 一度臭いが強くなったダウンは元の臭いに戻りにくくなる
  3. そもそも高温にさらされなければ臭いは出にくい

という事だと言えそうです。

しかし、
2.ですが風を通すと臭いが薄くなっていたため、
もっと時間を掛ければ元の臭いに戻るかもしれません。

お布団の場合ほとんどの場合”干す”という事をすると思います。
干した場合シーズンによってはある程度高温になる事も考えられます
新品を締め切った場所で、というのが良くなかったとも考えられます。

結論


今回の件から私なりの結論ですが

  1. 羽毛布団は高温多湿の締め切った場所に置かない方がいい
  2. 臭いに敏感な方はグースダウンの羽毛を選ぶべき
  3. 敏感な方は実物の臭いを実際かいで選んだ方が安心
  4. ダウンの質が下がるほど臭いのリスクは上がるので注意

という所です。

1.の高温多湿の気温ですが、おそらく40℃レベルだと思います。
押し入れも高温多湿になるようなら、使うちょっと前に風に通しておくと気持ち良く使えます。

3.のダウンの質ですが、においに敏感な方は最近のダウン50%やダウン70%という
レベルの羽毛は臭いやすいので避けた方が無難です。

近年羽毛の価格が高騰しています(この秋冬はもっと上がる予想が出ています)
原料価格が上がると、質を落として値段をキープするか
品質が怪しい原材料で無理して物作りしていく、という所も増えてきます。

実物をしっかり体感してお買い物をしたいですね。

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